女性活躍なんとかかんとかが毎日話題でして、結局「女性のせい」と時空がねじれるのが辛いです、という心情を吐露します。
役員少ない原因「女性側にもないことはない」桜田同友会代表幹事 - 毎日新聞
“チャンスを積極的に取りにいこうとする女性がまだそれほど多くないのではないか” 例えばあなたがチャンスを取りにいったとき、あなたの服を整えた人は誰ですか、と。
2021/02/17 00:16
私もね〜、チャンスを取りに行きたかったです。はい。
事務所勤務時代の思い出話ですが、南米の特許事務所さんから、日本の企業に無効審判をかけたいのだけど期限が限られている、どうか動いてくれないか、そういうお仕事の打診がありました。これ受けて、やり遂げたらまた新しいエリアに行ける、そう思いました。
でもその時子どもは1歳で、食物アレルギーが分かった頃で、自我の発現もすごくて、ママママ♡と可愛くて。
そしてその時配偶者は出張続きで。上海に1週間行ったあとは韓国に4日、次はまたウイグルに行く予定、だそうで。2016年頃のことです。
家族みなのことを思ったら、前出南米のケースはお受け出来ない、ということで上司に回答しました。
上司には呆れられました。
取り組みたいのは山々なのですが、今はすみません。家族のことを考えたら、できません。
そういうことが積もりに積もって上司ともうまく行かず、子どもにごめんねと言いながら家でも仕事し、配偶者に「今度子どもが休むことになったら対応してほしい」と言っても「俺無理だよ」の一言しか返ってこず、心がねじ切れそうになりました。
もっと大人の人手があればと、遠方に住む義母や実母に応援を頼んだこともありました。シッターさんも何人も面談しました。家事代行も試しました。しかし人手を頼むことも相当な頭脳労働で、何よりお金がかかること。義母と実母に手伝いを頼み、飛行機のチケットを手配して、シッターさんや家事代行の日取りを打ち合わせて、あれして、これして、結局何も楽にはなりませんでした。
自分だけで、限界まで頑張ろうか。
でも限界まで頑張って、もしすべてがダメになったらどうしよう。
誰が子どもの面倒を見るのだろう。子どもにはアレルギーに配慮した食事を整えなきゃいけないのに。そして、誰が子どもの服を整えるんだろう。
そういう経緯があり、当時の私は仕事を緩めることにしました。チャンスを取りにいくことができませんでした。私がチャンスを取りにいったならば、誰が子どもを守るのだろう、と。
当たり前のようにチャンスを取りにいける人には、取りにいくにあたって様々の調整をしないといけない人はただモタモタしているというふうにしか見えないのだろうなと思っています。そこはもう、あちら様がこちらのことを考えてくださらない以上、わかり得ないということもわかっています。どれだけ訴えても聞く耳を持たれない。それもわかっています。
どれだけ訴えても変わらなかった。もう言うのもつかれた。
かつて読んだこちら 仕事と家庭は両立できない?:「女性が輝く社会」のウソとホント (原著:Unfinished Business: Women Men Work Family )にも多数の事例がありました。
変わりゆく希望だけ見出して、そっと本を閉じました。
せめて、自分と違う立場の人に寄り添えたら。自分を支えてくれる人がいるからチャンスを取りにいけるのだと、己の力だけでその場にいられるわけでないと、謙虚にいられたら。「女性は」「男性は」「家事なんて」「育児なんて」決めつけずにお互いに気持ちを配れたなら。
結論も提言も何もなく、伝えたいことは届かず、ただただ、家族の服を整える毎日が過ぎていきます。
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書籍紹介
仕事と家庭は両立できない?:「女性が輝く社会」のウソとホント
Unfinished Business: Women Men Work Family
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