私の/夜中の考えごと

働き方や子どもとの暮らし:夜中に考えていることを書いています

鬼滅"風"のアレコレに思うこと(知財系WM+ただのお母さんの立場から)

鬼滅の刃の人気が止まりません。人気上昇が止まらない中に、色々の問題もうっすらと浮かんできました。

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煮くずれさんのブログを引いておきます。

ハンドメイド品であの漫画の柄を使う是非について考える - どうあがいても煮物は崩れる

拝読。ハンドメイド作品にキャラクターのモチーフを入れ込むことでハンドメイド作家の個性が没する懸念については頷くのみであります。

2020/11/24 10:26

ハンドメイド作品の良さとは何か、というところについては、私は消費者の立場なので深い考察が出来ないことはひとつお詫びしておくとして、今は専業業務から離れていますが、商標法も業務範囲に扱う専門職に就いておりましたことから考えることと、鬼滅大好きキッズを見守る母としての立場から考えること、そのあたりを結論なく放流しておきます。

とりあえずの材料はこちら

www.google.com

ニュースソースとして最適なもんが無かったので、申し訳ないですけど「何が起こってるんです?」という方は検索結果ページをちら見してください

法律あれこれの方面から考えること

緑黒の市松模様も、桃色の麻の葉模様も、白赤の市松模様も、黄色の鱗模様も、水色の流水文様も、日本の伝統柄で地模様なんですね。

伝統柄ということは日本文化の中で編まれていった模様ということで、その柄を考案した人が誰かということは分かりませんし、それにつれて著作権者も分かりません。そして地模様というところがまた、商標足り得るか、という点で考えるポイントなんです。

日本弁理士会の月刊誌のアーカイブ パテント2002年3月号 より地模様について論考されている記事がありましたので引用します。

特許庁商標課編による商標審査基準は、「地模様」
を,自他商品識別力を要求する総括規定である商標法
第 3 条 1 項 6 号に該当するとして登録の対象から除外
している(1)。

「いわゆる「地模様」の商標登録性と「商標」の定義」

 https://system.jpaa.or.jp/patents_files_old/200203/jpaapatent200203_051-059.pdf

*1

以下、知的財産関連での用語が続きますので、読みづらい方は***まで読み飛ばしてくださって構いません

 

ここで述べられている事件はルイヴィトンのエピラインに付される「モノグラム」、ほらあれですよあれ、あのLとVのあれですよ、あああれ!とファッションにちょっとは興味のある人なら分かるあの「地模様」が商標登録の要件を満たさないとされ、その特許庁の判断を不服として出願人のルイヴィトンが特許庁に拒絶査定を取り消すように請求したものです。

当時の商標法第3条1項6号(2002年当時)を根拠条文として結局はルイヴィトンのエピラインに商標登録の要件はなく、当該商標権は付与されることがありませんでした。ていうかツイートで3号と書いてますが6号ですね、実務者大失格。そりゃ試験通りませんわ。

 

***

はい、ヴィトンもいろいろがんばったけど「地模様は商標権にならないよ」ってことです。

一方でルイヴィトンのモノグラム柄は商標にかかる標章の創作者がデザイナーのルイヴィトンと分かりますので、著作権上の保護は可能となります。

 

そしたら鬼滅風のあれこれは?

地模様は商標権にならない、そして著作者も不明なので著作権上の保護も及ばない。

 

ここまで考えると鬼滅風の模様については、どの権利も付随しないので、「自由にその模様を使って良い」となります。私としてもそうなるだろうなぁ、とは思います。集英社による商標登録出願の動向を見守る他ないわけです。査定が出たらそんときまた騒ぎましょう。

 

お母さんの立場から

さてさて、以下は鬼滅風アイコンを付したグッズにキャッキャするキッズを見守る母としての目線です。

「子どもが喜ぶ」こと

長女5歳は最近、桃色麻の葉模様のハンドメイド作家さん手作りマスクをつけて登園降園しております。「つけたい」「禰豆子になりたい」と言うからです。

保育園の帰りがけに、麻の葉模様のマスクを付けた長女をみた主任の保育士さんが「あ!禰豆子だ!」と声をかけてくれました。

 

子どもって生来的にはマスクを嫌がるものらしいです。知らんかった。しかし今こうして、鬼滅風デザインのものであればすすんでつけています。マスク必須になった今の子どもたち、大変だろうなと思っていましたが既に日常のものとしている。

マスクを付けなければならない、そういった制限の中でも、自分の好みに合うものを選べるからこそ日常のものとなっていったのでしょう。

 

コミュニケーションのきっかけとして

ついでに、小学生キッズのマスクを見ても「禰豆子だー」「しのぶさんだー」「炭治郎だー」とどのキャラを推しているのか一目でわかります。

麻の葉模様の手作りグッズを使っていた子がおりまして、禰豆子推しなんだろうなと思って声をかけたらやっぱりそうで、コミュニケーションのきっかけになりました。ついでに、その子の保護者さんとLINEのIDも交換できちゃいましたし、今までにない識別機能を感じています。

ドラゴンボールでこんなことあったかしら。幽☆遊☆白書ではどうだったか。流石に薔薇を咥えた人に「蔵馬ですか?」とは聞けなかっただろうな。

どのキャラを推しているのかがひと目で分かる。それは鬼滅風デザインの機能として、今までにないものであると考えます。

 

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ここまでつらつら書きましたが、日常的に目の届く範囲で起きていることは個人個人で楽しくやっている感じです。小さいモールのキッズコーナーに「これアカンやつやん」とツッコミたくなるものは見たことありますけど、そういうのは買わなければよろしい。

今まで漫画やイラスト、小説などが二次創作とされていたものがファッションの分野にまで届いていることが新しい潮流なんでしょうね。

新しい潮流が生まれるときには混乱は当たり前に生じるもので(例:鳴門の渦潮)、なんだかモヤモヤするな〜という気持ちも生じて当たり前のことと考えています。

 

ほんと結論も何もないです、ほんとすみません。

 

(本文中の画像は全て「イラストAC」よりDLして適宜加工し使用しました)

*1:月刊パテントとは、日本弁理士会が発行する業界紙です。

www.jpaa.or.jp