ついに週刊少年ジャンプ2020年18号で200話を迎えた鬼滅の刃についてです。
かつて、読者がここまで花言葉を調べた少年漫画があったであろうか、と。
鬼滅の刃には随所に「花」が描かれます。そして本作最大のキーワードに「彼岸花」があり、その他にも場面を彩る花の描写から、考えたこと
花
思い出せる範囲で、「花」が印象的なシーンとそこに描かれる花と、その花言葉を。
彼岸花
無惨が探し求めている「青い彼岸花」もさることながら、他にも彼岸花が印象深いシーンがあります。
無限城でかつての兄弟子を破り、自らも負傷しながら善逸が師匠の桑島慈悟郎に、川を挟んで邂逅するシーンがあります(鬼滅の刃 17 第146話「誇り」)。そこで師匠のもとに駆け寄ろうとした善逸の足元に、彼岸花が絡みつきその足を止めるのです。
彼岸花の花言葉は、
『情熱』『独立』『再会』『あきらめ』『転生』『悲しい思い出』『思うはあなた一人』『また会う日を楽しみに』
(引用元:【本当に不吉な花なの?】ヒガンバナ(彼岸花)の花言葉、特徴や種類は?水戸市植物公園園長に聞いてみた! - HORTI 〜ホルティ〜 by GreenSnap )
お彼岸という、先に旅立った人を思い出すことの多い季節に咲く花なので、命の巡り(転生)や「また会いましょう」といった気持ち(再会、また会う日を楽しみに)という気持ちが表れています。
この善逸と慈悟郎の邂逅では、善逸は後悔と謝罪を慈悟郎に伝えます。そして、慈悟郎は「お前は儂の誇りじゃ」と返すのみでした。
セリフだけならば、ただ後悔と謝罪、そして師匠から弟子への思いの伝達なのですが、ここで彼岸花が描かれることで「再会」のシーンであると分かり、更に深読みするならば、これで師匠の桑島慈悟郎は残してきた弟子・善逸の生きる現世への気がかりが消え、「転生」の道に進むことができるのではないかな、と思い浮かべることができるのです。
善逸の花束
週刊少年ジャンプ2020年14号第196話での、禰豆子が今まで会った人たちの顔を思い返すシーン。頬を紅色に染め笑顔の善逸が、たくさんの可憐な野の草花をくれた。
赤いなでしこ、わすれな草、福寿草。
なでしこ
なでしこの花言葉は「大胆」「純愛」「貞節」
(引用元:ナデシコ(ダイアンサス)の花言葉とは?種類や品種は?見頃の季節は? - HORTI 〜ホルティ〜 by GreenSnap)
わすれな草
わすれな草の花言葉は『私を忘れないで』『真実の友情』『誠の愛』
(引用元:勿忘草(ワスレナグサ)の花言葉|意味や見頃の季節、別名は? - HORTI 〜ホルティ〜 by GreenSnap )
福寿草
福寿草の花言葉は 『幸せを招く』『永久の幸福』『悲しき思い出』
(引用元:福寿草(フクジュソウ)の花言葉|花の種類や季節は?別名は元日草? - HORTI 〜ホルティ〜 by GreenSnap )
みなし児の善逸に花言葉の教養があるかは分からないのですが、善逸が集めた花々には、愛を伝え、幸福を願う花言葉がありました。
野の草花を見るにも「これを禰豆子ちゃんに見せたいな」と禰豆子を思い、優しく摘み取ってきたのでしょう。陽の光が浴びられない禰豆子に、ほんの少しでもきれいな世界を見せてあげたくて、善逸は頑張っていたんでしょう。そして、その思いに花も応えているように思います。
菖蒲
直近の話題のネタバレになるので何話のどこ、とは書きませんが、
「菖蒲」(あやめ)についても印象的で、その花言葉を調べました
『希望』『信じる心』『メッセージ(恋のメッセージ)』『吉報』『良き便り』『知恵』
(引用元:アイリスの花言葉|花の種類や時期、見頃の季節は? - HORTI 〜ホルティ〜 by GreenSnap )
そしてさらに菖蒲について調べると、菖蒲の出る夢が意味するものは、
アヤメの夢を見た時の意味は、長く続いている思いやずっと気にしているジンクスの暗示です。
吉夢は長い間背負ってきた思いから解放されるという暗示です。新しいアイデアが思いついたり、誰かの一言からこれまでの価値観を得ることが出来る良い意味での切り替わりの時期にきているという意味でしょう。
逆に凶夢は、望む望まないに関わらずこれまで続けて来たことを中止したり方向転換する事を余儀なくされるかもという暗示です。
(引用元:アヤメの花言葉/誕生花-由来から夢占い/風水まで- | 花言葉の由来 (太線付与は筆者))
鬼を倒すという、長年の思いからの解放。そして、その後を生きるものたちには、これまでの人生とは違う道を歩まねばならないという暗示が込められているように思いました。
ここまで読者が花言葉を調べる少年漫画ってあったでしょうか。
描かれる花もこの世界を彩る、鬼滅の刃の魅力が更に深まりました。
今日はこのへんで。