ほぼ黒ワンピース生活

ほぼ毎日黒のワンピースを着ています。考えたことなどあれこれと。

O企画「異邦人の庭」観劇の感想

実は高校のころに演劇部におりまして、なんだかんだ受験勉強に逃げたので演劇には向かいきれなかったのですけど、演劇鑑賞は趣味の一つとしてあり続けております。

 

大学の演劇部にやたら元気な人がいまして、大学1年生のワイワイのノリに乗って「演劇やってたんだ?」と学科は違えど話しており、結局彼は舞台人になりました。

そして公演のある際には声をかけてくれるのです。産前産後といけない時期が長かったのですが、やっと行けそう、というタイミングで1件お知らせがあり観劇いたしますと、文学にも音楽にも、映画にも伝えきれないモノが胸に響くことを感じました。

事実や取材に基づくけれども、その事実や取材内容をもとにした人間の内面から湧き出す言葉、動き、涙や笑顔の情動、そこから伝わる何か。

 

やっぱり演劇が好きだ、そう思いました。

 

そしてまたお知らせを受けて、そしてプライベートな事情で「下北沢の小劇場に演劇を観に行く」ということが最後になりそうなことを思いながらやり取りしており、また小劇場の階段を一段一段下りる時間がやってきました。今日は何を感じ取れるだろう。わくわく。

公演情報はこちら、

spice.eplus.jp

 

友人はもう腕に浮かぶ血管、手のひら、指の先まで舞台人でした。

シンプルな舞台装置の、ほんの数センチからでもそこにあるものが見てとれる。考え抜かれた舞台装置に感嘆するばかりです。

そして今回も、文学にも音楽にも、映画にも伝えきれないモノを感じ取りました。

 

舞台はいいものだ。

自分の幼さが舞台を求め、しかし己の才能のなさに身を切る思いだった部活の時間。

そして観劇する側の楽しみや役割を理解した今。

 

小劇場の狭い階段を上がって明るくにぎわう下北沢の街に出た。

 

外の眩しさに目が細くなり、再び目を開けて「また観たいな」という思いが心に浮かび、小劇場を後にしました。