ほぼ黒ワンピース生活

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(バレあり感想)「岸辺露伴ルーヴルへ行く」を見てきましたよ

公開初日に観ました「岸辺露伴ルーヴルへ行く」のバレあり感想はやくいいたい

公開初日の5月29日、博多駅直結 Tジョイ博多にて鑑賞してきました。

 

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バレあり感想だよ、バレあり感想だからね?言うよ?しゃべるよ??

 

では以下、感想めっちゃ語りますーーー!

 

原作!

 

 

私が「岸辺露伴」シリーズに出会ったのはこの大型本が最初です。ジョジョは一通り読んでいて2部の若ジョセフと3部の承太郎が推しで、4部はサラっと読む程度、「だが断る」の人だよなぁ、というのが岸辺露伴への印象でした。それがまぁ、この「ルーヴルへ行く」にて目の前が開けたと言いますか。。素晴らしいです。極彩色のカラー絵から始まるこの物語は、素晴らしいです。

 

まず色彩のことを。

原作コミックスはルーヴル美術館のBDプロジェクトの一環で特別に製作されたもので、プロジェクトチームや荒木飛呂彦先生の考えが練り合わされて極彩色でかつアートに溢れた作品となっています。

思い出の中のセピア、現在の極彩色、地下や過去の黒、といったふうに「色」が情景の描写を増強する手段になっています。

そして映画では、その極彩色は控えられ、一転モノトーンに。

岸辺露伴の衣装はもとより黒と白がベースで、ドラマ化の際にはこのモノトーン化で「ドラマ岸辺露伴は動かない」のコンテンツが完成されました。その流れを継いで映画もモノトーン。ここにきて原作の極彩色と完全に対比され、漫画・ドラマ・映画の系譜が完成したように思います。

(だんだん何言ってるかわかんねーけど状態になってきた)

 

 

途中ストーリー

途中のストーリーに原作にはない「黒い絵(の模写)」のストーリーが絡んできます。

そのストーリーにおいてはオークション会場への取材に行くシーンが入り、豪華絢爛な会場の様子がまた目によろしかったです。ここから繋がる「なんか日本映画っぽい」展開(美術品闇取引)が入っていくのは個人的には蛇足なんじゃな…いと思いはしますが、着地はまとまってるからあれこれ言わないでおきます。

 

パリ道中と泉くん

原作ではさくっとルーヴルに赴いた露伴ですが、映画では泉も帯同して「取材」です。泉も帯同することで現れる表現がまた秀逸でした。

カフェでお茶する二人→露伴が「あのサングラス」をかけておる!

観光バスのマダム→フランス語もイケるんかい露伴!

漫画では描かれない存在だった泉京香がいることで、表現がぐっと広がったように思います。ありがとう泉くん、君のおかげだ。

何より、終盤では泉もある目的をもってルーヴルを目指した人であったことが分かり、全体的に重たいストーリーに優しさをもたらしてくれました。じゅわっときますよ、写真一枚で語ってくれるもんやの…

 

ルーヴルすっげぇよ

ルーヴル美術館全面協力の映像はそらもう素晴らしいとしか言えないです。美術品が惜しみなく見られる。ニケと露伴が並ぶ。これだけでお金取っていいレベルだと思いますよ…

ルーヴル職員の働くオフィスの綺麗さとかオシャレさとかも心が震えました。エマが、プライベートな事象で憂鬱な気持ちながらも仕事はする、そんなアンニュイな雰囲気もたまらんかったです。

地下倉庫に行く途中に同伴する消防士二人の屈強さもきゅんときました。本職ぽさがぞんぶんに表現され、映画の細部にわたり完璧な世界を作り上げています。

 

そして地下倉庫に入り、「黒い絵」と対峙するそれぞれの人たち。

「黒い絵」によって引きずり出される、過去の罪悪感や後悔。それらを前にして、人はどうなるのか、もし私がこの黒い絵を見たら、どんなものが見えるのか、ぞくっとします。

 

奈々瀬の物語

日本に帰ってきた露伴が「あの木」を見つけて、奈々瀬もそこに現れて二人の対話がなされます。

若いころの露伴が、泣き濡れる奈々瀬にヘブンズドアをしかけて止めたのは「能力を使わずともこの人を知りたい」という若さに駆られた行動だったのだと思います。なんかありますよね、あの時こうしときゃ、今もっと楽だったのに、みたいなこと。けどもそのときの露伴にはそれで正解なのです。

そして大人になり、黒い絵とも対面し、世界がより見えるようになった露伴が奈々瀬と再会し、露伴は奈々瀬の物語を読むのですが―――

 

奈々瀬の物語に現れた「黒い絵」の作者、山村仁左右衛門の姿は高橋一生が演じたものでした。

私はこの解釈があれこれあると思うんですね

 

1. 奈々瀬の物語を読んでいるのが岸辺露伴だから、露伴の見た目で山村仁左右衛門が読まれている

 

または、

 

2. 山村仁左右衛門と岸辺露伴には何らかの縁がある(血縁・転生など)

 原作中でも山村仁左右衛門の妻、奈々瀬の生まれは「岸辺」と分かっています。何らか血縁がある匂わせ

 

それぞれ解釈はあり、そしてその解釈ひとつひとつに長大な物語が綴られるでしょう。私は、この解釈は確定せず、そういうことなのかもなぁ、と感じて終わりにします。

 

終わりに

ジョジョの世界から並行して生まれた岸辺露伴の世界、そしてこの映画の原作漫画を膿んだプロジェクトのすばらしさ、ルーヴル美術館という世界最大の美術館の威厳、

全てが美しく矢を放ち、その光の軌跡が美しく絡まり合って生まれたいい映画でした。

何度見てもこの感動は失われないでしょう。

 

このバレや他のネタバレを見てから鑑賞に行ってもきっと、あなたの心には「『岸辺露伴ルーヴルへ行く』は素晴らしい映画だ…」と心に灯がともることでしょう。大丈夫、バレを読んだところで、実際にその目でこの映画を見たら素晴らしい景色が広がるから。

 

劇場物販ではパンフレット、クリアしおりセット、ポストカードセットを買い求めました。合計2200円。映画のクオリティから見て、正直5まんえんくらい出しても構わんなと思いましたのでだいぶお安くお求めできました。

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また見に行こう…!