1月8日は成人の日、新成人の皆さまおめでとうございます。
話題に直乗りするのは、評論家でもない一介の労働者なので憚られるのですが、どうしても、 2018年の成人の日に取れないシミを残した #はれのひ と、そこから派生した議論については、言葉にして残しておきたい感情がございます。
自撮りですみません、しかも写したスマホはiPhone 3Gとか、今の若い方ご存知かしら…
父がお謡いを習いに行っていた縁で、私は小学生からご近所の方に茶道を教えていただいていておりました。茶道の所作はお着物を着てこそ美しいものでして、お着物を召した先生の所作はたいそう美しく、幼心に憧れたものです。そういった流れで着物が好きになりました。
初めて自分で着たのは中学生の頃の浴衣ですね。高校生の姉と夏発売のnon_noの「自分でも着れる!」のようなページを繰りながら、そのうち見かねた母がちゃんとした浴衣の着付けの本を買ってきてくれ、母に見てもらいながら浴衣に袖を通した思い出があります。
さて、写真に写っているのは大学友人男性の結婚披露宴に出席したときのお振袖です。20歳のときは学生でお金も無かったので、姉のように自分でお振袖を買うことが出来ませんでした。自分のお金でお振袖買う、そう決めて、社会人3年目のときにふりふさんの展示会に行き、そこで一目惚れした反物で誂えたものです。
水色の彩綾の地模様に大柄の牡丹の花。クールな印象ながら、いつ見ても優しい気持ちになれるお着物になりました。
今年も綺麗な晴れ着に身を包んだ新成人たちが街にいるのだなぁと、考えるだけでも嬉しくなる日。お昼にも娘とお散歩に出て眼福にあやかろうと思っていたら、
なんてひどいニュース!
計画倒産なのか何なのか、トラブル発生から3日経った今も真相は分かりませんし、大事なお着物が行方不明になっている方のもとにもお着物は戻っていないようです。
第二のてるみくらぶ事件とは言ったものですが、はれのひ関係者の方にはきちんと出るところに出ていただいて、しっかりと経緯の説明とこれからの対応を公表して頂きたいです。
経緯のまとめはこちらを。
そしてツイッターやら匿名掲示板の意見には「大金を振り込むのだからその企業がちゃんとしているか調べろ」やら「自分で着られないのに振り袖を着るなよw」といった声もあるとか。呆れが強く、引用等はいたしません。その自己責任論はどこから出してくるのか、全く理解ができないものです。
今はトラブルを被った新成人の方に、お振袖が戻ることを願うのみではないのでしょうか。次に、着物販売・レンタル業がこうもドラスティックなトラブルを起こしたのは何故なのか、何がまずかったのか、企業経営の失敗例として真相を解明すること。自己責任論の出る間なぞありません。
真相が分かれば、既存の呉服屋さんたちにも経営の一例として学びになりますし、もしこれから呉服業界に新規参入する事業者がいれば、二の轍は踏まない思いで経営を推し進めてほしいと思います。
普段娘に付き合ってetvか動画配信サービスばかり見てニュースも見ない私ですが、この件だけは見ております。
お振袖は未婚女性の第一礼装、限りなく高潔なものであって欲しかった、その思いで明日もニュースを見るのでしょう。