ほぼ黒ワンピース生活

ほぼ毎日黒のワンピースを着ています。考えたことなどあれこれと。

n=1:別に「良い夫」を求めていないというお話し

我々育児期労働者におなじみのウェブメディア、日経dualに衝撃的なエントリが出ました。
オリラジ中田のあっちゃんが「良い夫やめました」って…!

方々で色んな意見が出るやつ

dual.nikkei.co.jp

楽しみだったイクメンアップデート

日経DUALでのイクメンアップデート中のシリーズはとても読み応えのあるもので、80年代生まれの育児期労働者にとっては「あっちゃんだってこうやってるんだから」とモデルたる存在だったんですよ。。
次はどんなアップデートがあるのかな~~??「上司にいい顔されなくても定時で帰る仕事術」とか「ママが入院!子どもとワンオペパパの1週間」とかかな~~とFQ Japanの特集に組んでほしいやつくるかな~~??
いち読者として楽しみなものではありましたし、吉本芸人でリレーしていっても楽しいのではないかなと(ハナコママではチュートリアルの福田さんがエッセイされてますし、ツイッターではノンスタイルの白い服着てる方が双子育児をツイートされてますし)勝手に考えておりました。

今回の「方針変更!」を受けて

タイトルだけみれば衝撃的ながら、全4ページを読み終えたときは「まぁ、そうなのね」と衝撃も薄れたものでした。
イクメンアップデートに期待はしておりましたが、中田敦彦とて初恋の人が綾波レイな一人の男性ですし、お父さんで旦那さんでタレントで、夫婦関係の軋轢もあろうし、パーフェクトだと思っている日常にも、臨床心理士の目を通して見たらなんぞと見えてくる「違和感」もございましょう。
中田家の日常に笑顔がちょっと多めになることを願いつつ。

少しの考察

こういったウェブメディアの役割としては、「このご家庭はこのようにして暮らしてらっしゃいます」のカタログみたいなもので、いいものは取り入れるし、うちには合わないなと思うものはそこまでにしておけばいいものでして、ただ一つ引っかかったのは「良い夫」て何だろうな、ということで、以下に少し考えてみるものです。

私は「良い妻」だろうか?

今は子どもも0歳3歳とまだまだ手がかかるフェーズですので、お母さん業のほうが忙しくて「良い妻」の優先順位は、はっきり申し上げて最低ランクです。
世の中にはお仕事を終えてご帰宅される旦那さんのお食事をきちんと温かいものは温かいままにお出しする良き妻もたくさんおいでのことと思いますが、私の場合は物理的に無理なのでそういったことを一切しておりません。作り置きのおかずをつまんでもらったり、帰宅した夫自身が自分で食べる分を調理したり。帰宅時間が毎日読めない夫に食卓事情を合わせられないし、何より家族の時計は子どもたちの生活リズムをベースとしています。子どもたちが寝かかったところに起き出して次は夫の食事の世話???無理無理、物理的に無理。

堪え性もないのでブログに家族についての愚痴も垂れ流すし褒められたものではありません。はい、反省もしております。

でも、それらすべては育児にリソースを割きたいからでありまして。

今は「お母さん」でありたい

0歳と3歳の愛しい愛しい子どもたち。
この子達の暮らしを穏やかに、なるべく彼女たちの求めるものに手が届くように、自立した大人になれるようにと創意工夫を重ねる毎日にあって思うことは「いいお母さん」でありたいということです。

子どもたちにとって有害なものはできる限り排除して、安全に配慮し、道を歩くにも注意を促し、何かあれば3歳14kgと0歳6kgを一気に担いで走り出しますし、そのためにファッションもメンタルも「お母さん」にフルコミットしております。
ここで「良い妻」も目指したいとなったらファッションもメイクも育児には見合わないものになりかねず、何かと違和感が出て来ることと考えます。
子どものいるいないに関わらず、夫の好きなラテン系のファッションはできませんし…

今は夫に「良いお父さん」になってほしい

そう言ったわけでパートナーたる夫にも「良い夫」であることは求めておりませんし、育児を共に進める人として「良いお父さん」であってほしい気持ちの方がかなり優勢です。

そもそも、「良い夫」って何でしょうね?

「良い夫」考

「結婚して6年、彼女の要求にすべて応えてきた。趣味の自転車も捨てたし、たばこをやめたし、自動車の免許を取りに行ったし、住む場所も住まいのサイズもインテリアも、彼女の望み通りにしてきた。自分を変えてきた結婚生活だったのに、妻は何が不満なんだ!」

 「僕はどう考えても悪くない夫だ。妻の望みをかなえようと、仕事が終わればすぐに帰宅するし、連絡もする。子どもと一緒に風呂に入り、子どもも犬すら一緒に寝る。潤沢に家計を回し、ギャンブルも女性遊びもしない!」

 カウンセラーに話して初めて、自分も驚くほど不満がたまっていたことが分かりました。そして、色々とアドバイスを受けたなかで、カウンセラーが発したある一言が、強烈に残りました。

 「全部合わせてきたことが、良くなかったですね」

文章の引用は上記サイトです。
この部分を読みまして、妻目線で考えると「あっちゃんめんどくさい…」でした。(すみません)
なんでも「妻の」「妻の」とあって、自分の役割は「妻の御用聞き」になってないです??

そら夫婦になった以上は相手の望むものを叶えたいと思いはしますが、相手の望みを100%叶えるなどは土台無理な話でして、力を抜きつつ暮らしていって、「まぁこの位置がちょうどいいね」くらいのスタンスでいくのがストレスたまらないと気づいたのは最近のことです。

そもそも「あなたはどうなりたいの?」と聞いてみたくなる。

妻が早く帰れというから帰ります、妻がもっと稼げというから仕事します、これが良い夫??と疑問が生じ、「そこに自分の意志はないわけ?」と突っ込みたくなってしまいました。

なお、「そこに自分の意志はないわけ?」は矢沢あい Paradise Kissの2巻、ジョージが紫に言い放った名言です。

お分かりになる方は握手しましょう。

家事代行や託児サービスのほうがストレスないときもあります

妻の自由時間を捻出する「良い夫」の行動も良いですが、夫との時間調整が必要になったり、お出かけの準備が結局妻のタスクになってしまったりすると本末転倒で、いっそ忙しいお父さんの予定は加味せずに、家事代行や託児サービス付きの施設を選ぶほうが楽だったりします。

最近はその考えで平日一日の娘のお迎えをシッターさんにたのみ、自分の歯医者は保育士さんが常駐している歯科医院に通うこととしました。そのほうが調整のパラメータが一つ減るので夫婦ともにもストレスがなくなりました。
むしろ遅くに帰宅した夫に「今日歯医者さんの保育ルームで次女ちゃんも楽しく遊んでてね。これ長女ちゃんにお土産にもらってきたの。二人とも喜んでて可愛かった〜」など、話のネタにもなりまして。

そういった意味でも、妻の御用聞きはほどほどでいいです。無理なもんは無理と突っぱねてくれて構わない。少なくとも私という妻、n=1の意見としては。

結論:

「良い夫」はやめていい

妻のご機嫌伺いを中心に御用聞きに回る「良い夫」をしようとしても、妻とて自分のことは自分でできる大人ですし、家族の中で一番大人のサポートを必要としているのは子どもたちです。できたら子どもたちのためになることを優先してほしい。そして何より、自分のなすべきことは何かを考えながら行動してほしい。

家族の中で自分がなすべきことを考えた結果、妻の時間を作ったり、子どもと遊んだり、家族の食事を準備したり、通院に付き添ったり、資産運用の資料を集めたり、残業したり、旅行のプランを考えたり、そういうことをしてほしい。

「良い夫」はやめていい。


育児もいつかは終わるので、いい爺さん婆さんになったときに、育児や仕事、自分の趣味を通じて得たものたちを繰り回しながら楽しく老後を迎えられたら素敵なんではないかな、と思う次第です。